シーシャのりんご系フレーバー入門|ダブルアップルの正体とブランド別の違い

シーシャの「りんご系」は、アニスが主役の“ダブルアップル系”と、果実そのままの“素のアップル系”に分かれます。あの独特な香りの正体から、同じダブルアップルでもブランドで別物になる理由、アルファーヘルの派生ラインの見分け方、焦がさず甘みを引き出す詰め方と火加減までを整理します。
シーシャのメニューで「ダブルアップル」「トゥーアップル」「Two Apples」と表記が揺れるのは、どれも同じ系統を指しているからです。やっかいなのは、名前にりんごとあるのに香りの主役がアニス(八角に似た香り)で、しかもブランドによって甘さとアニスの強さがまるで違うこと。「前の店のダブルアップルは好きだったのに、別の店では薬っぽくて無理だった」が普通に起こります。りんご系の2系統の違い、あの香りの正体、ブランドごとの味の振れ幅、そして焦がさず甘みを引き出す扱い方まで整理します。
りんご系は「2つの世界」に分かれる
大きく分けると、①アニスとリコリスをベースにした「ダブルアップル系」、②りんご本来の甘さや酸味を再現した「素のアップル系」の2種類です。名前に「アップル」とついていても、①は口に含んだ瞬間に香辛料のような香りが立ち、りんごらしさは奥に隠れます。②は果実の甘酸っぱさがまっすぐ出て、印象はまるで別物。この2系統を知っておくだけで、注文の失敗がぐっと減ります。
ダブルアップルの正体は「りんご+アニス」
シーシャの世界でもっとも知られるりんご系が、「ダブルアップル」または「トゥーアップル(Two Apples)」です。アラビア語で「二つのりんご」を意味する言葉が語源とされ、中東のシーシャ文化で元祖フレーバーのひとつとして親しまれてきました。ただし名前とは裏腹に、2種類のりんごをブレンドした味という意味ではなく、業界では実質的に「りんご+アニス」を指す符丁として扱われています。
独特の香りの正体はアネトールという成分です。アニス(アニスシード)の精油の9割近くを占める香り成分で、八角やフェンネル、リコリス(甘草)、ウゾやパスティスといったアニス系の酒にも共通します。日本の感覚で「八角」「漢方」「甘い薬」に近く感じられるのはこのためで、みずみずしいりんごを想像して頼むとギャップが大きい——というのが定番の落とし穴です。

Two Apples
トゥーアップル
赤りんごと青りんごのみずみずしさにアニス(甘い黒リコリス系スパイス)が加わり、独特の奥行きと甘さが絶妙に共存する。中東のシーシャカフェで最も注文されるフレーバーの一つで、数十年にわたって世界中で愛され続けている伝統の味。甘さが前面に出るためアニスが苦手な人でも意外と飲みやすく、ミントと合わせると清涼感が増してさらに定番の一杯になる。
アルファーヘルの看板。アニスを含みながら甘さが前に出るバランスで、味の安定感と煙の滑らかさに定評があります。
同じ「ダブルアップル」でもブランドで別物になる
ダブルアップルの味の幅は、ひとことで言えば「伝統寄りか、現代寄りか」で整理できます。伝統的なタイプほど重く乾いた印象でアニスが主役に立ち、現代的なタイプは滑らかで甘く、清涼感やミントを最初から組み込んだものもあります。銘柄を選ぶときは、産地や知名度より先に甘さ寄りかアニス寄りかを決めてしまうのが近道です。

Double Apple
ダブルアップル
赤・青りんごにアニスを効かせた、シーシャの王道ダブルアップル。甘さの中に薬草のような香りが漂う奥深い味わいで、迷ったらまず吸ってほしい定番。
アメリカのフマリによる解釈。伝統的なアニス感に、明るくジューシーな果実味を重ねた現代寄りの味わい。アニスの強い銘柄が重いと感じる人でも入りやすいタイプです。

Apple Americano
アップル・アメリカーノ
濃厚なエスプレッソにりんご飴を合わせた一品。リコリスが苦手な方向けで、コーヒーのコクと優しい甘さが調和。
スターバズの変化球。赤りんごの甘さに、香ばしく土っぽいコーヒーの陰影を重ねたタイプ。甘いだけで終わらない一杯を探しているときに。
アルファーヘルの派生ラインを見分ける
定番のトゥーアップルには派生が多く、棚やメニューで迷いやすいところです。名前の違いは、そのまま味の方向の違いだと考えて構いません。
- トゥーアップルミント:ミントをあらかじめ合わせた仕様。比率を調整せずに後味を軽くしたいときに。
- フロスティトゥーアップル:定番の味に冷たい清涼感を足したタイプ。夏や食後向き。
- トゥーアップルバーレーン:バーレーン式と呼ばれる系統。アニスやスパイスが背景に退き、熟した赤りんごの甘さが前に出ます。

Bahraini Apple
バーレーニアップル
バーレーン産の青りんごを思わせる、みずみずしく甘酸っぱいアップル系フレーバー。上品でクリーンな味わいで、単体でもミックスのベースにも使いやすい。
アルワハによるバーレーン式。アニスは香りの奥に控え、赤りんごの果実感が主役に。ダブルアップルのアニスが重いと感じた人の逃げ場になります。
クセの少ない、素直な甘さのりんご系
アニスの香りが苦手なら、素のアップル系が確実です。アルファーヘルにもアニスを効かせないアップルがあり、まっすぐな果実味を試したいときの入口になります。

Green Apple
グリーンアップル
青りんごの、爽やかな酸味とシャキッとした甘さが際立つフレーバー。すっきりキレのある味わいで、単体でもミントや他のフルーツと合わせても楽しめる。
デクラウドの青りんご系。アニス控えめで、すっきりとした酸味と甘さを素直に楽しめます。

Sour Apple
サワー・アップル
爽やかな酸味が際立つ青りんご。リコリスは入らない純粋なりんごで、キャラメルとのミックスが公式おすすめ。
スターバズらしい、りんご飴のようなはっきりした甘酸っぱさ。キャンディ系が好きな人に向きます。
りんごはスパイスや洋菓子とも相性がよく、キャラメルアップルやアップルパイ、清涼感を効かせたアイスアップルシナモンといったデザート寄りの選択肢も揃います。
焦がさず甘みを引き出す扱い方
甘いりんご系、とくにダブルアップルやサワーアップルはシロップ分が多めの銘柄があり、実は焦げ付いて苦みが出やすいジャンルです。扱いのコツは3つ。
- 詰め方:押し込むと熱がこもって表面から焦げます。空気を含ませるようにふんわり盛り、フォイルに触れない余白を残すのが基本(手順はフレーバーの詰め方ガイド)。
- 火加減:炭はまず2個、中央ではなく縁寄りに。低めの温度でじっくり温めると完熟りんごのようなまろやかな甘みが立ちます。物足りなければ後から足す順番なら、焦がして苦くする失敗を避けやすくなります。
- 箱の底のシロップ:シロップの多い銘柄は底に液が溜まりがち。塊のまま入れると焦げやすいので、軽くほぐして水分を行き渡らせてから詰めると安定します。
青りんご系は比較的軽く扱いやすく、火加減の感覚をつかむ最初の一つにも向きます。焦げてしまったときの立て直しはフレーバーが焦げる・苦い原因と対処法にまとめました。
りんご系を活かすミックスのコツ
りんご系は系統によって混ぜ方の狙いが変わります。
- ダブルアップル系 × ミント:アニスの重さが気になるときの王道。ベース7:ミント3から始めると、清涼感が加わって後味が軽くなります。
- 素のアップル系 × ベリー:グリーンアップルやサワーアップルに甘酸っぱさを重ねると、キャンディのように華やかな一杯に。
- アップル × レモン:シトラスの酸味を1〜2割足すと、甘さが締まってメリハリが出ます。
トゥーアップルを軸にした具体的なレシピはトゥーアップルのミックスレシピにまとめています。
迷ったときの3ステップ
- アニスが平気かを決める。平気ならダブルアップル系、苦手なら素のアップル系へ。
- 甘さ寄りかアニス寄りかでブランドを絞る。甘く現代寄りならフマリ、アニスを含んだ定番の安定感ならアルファーヘル、アニスを避けたいならバーレーン式。
- 清涼感が欲しいかを決める。ミント配合済みの銘柄を選ぶか、自分でミントを3割足すか。
ほかの果実系はフルーツ系フレーバーの一覧、はじめての方は初心者向けのシーシャの楽しみ方もどうぞ。
よくある質問
Q. ダブルアップルとトゥーアップルは同じフレーバー? 呼び方が違うだけで、基本的に同じ系統を指します。アラビア語で「二つのりんご」を意味する中東由来の通称で、実際には「りんご+アニス」の香りを指す言葉として使われています。
Q. 同じダブルアップルなのにブランドで味が違うのはなぜ? アニスと甘さのバランスの取り方が銘柄ごとに違うためです。伝統的なタイプほどアニスが主役で乾いた印象になり、現代的なタイプは甘く滑らかで、清涼感やミントを最初から組み込んだものもあります。
Q. ダブルアップルが焦げやすい・苦くなるのはなぜ? シロップ分が多い銘柄があり、詰めすぎや火力の上げすぎで熱がこもると焦げて苦みが出やすくなります。ふんわり詰めて、炭は控えめから始めるのが失敗しにくいコツです。
Q. アニスの香りが苦手でもりんご系は楽しめる? グリーンアップルやサワーアップルのような素のアップル系、あるいはアニスが控えめなバーレーン式を選べば問題なく楽しめます。
まとめ
りんご系は、アニスが主役の「ダブルアップル系」と、果実そのものの甘さを楽しむ「素のアップル系」に分かれます。さらに同じダブルアップルでも、アニス主役の伝統寄りから甘く滑らかな現代寄りまで幅があり、ブランド選びは「甘さ寄りかアニス寄りか」で決めるのが近道です。甘い銘柄はふんわり詰めて低めの火加減から——を覚えれば、焦がさずまろやかな甘みを引き出せます。定番のトゥーアップル、アニス控えめのバーレーン式、素直なグリーンアップル。ミントを少し足しながら、自分好みの一つを見つけてみてください。
なお、シーシャは20歳以上の方を対象とした嗜好品です。マナーと体調に配慮して楽しんでください。


